ヒグマを麻酔をかけて山に放つリスク。生命を獲ろうと襲いかかってくるかもしれない。

ヒグマを麻酔をかけて山に放つリスク。生命を獲ろうと襲いかかってくるかもしれない。

幾度と取り上げている、札幌市のヒグマ出没にともなく駆除問題。

批判的な声の中に「麻酔をうって山に放て」という声も多くあがりました。

果たして現実的な策なのか?
ひとつの研究結果から仮説を立てていこうと思います。

@BearSmart_Japan というアカウントでこの研究結果がシェアされました。

http://www.gmnh.pref.gunma.jp/wp-content/uploads/bulletin15_15.pdf

これはヒグマでの研究ではなくツキノワグマでの研究結果です。
どんな研究か?
「ツキノワグマと麻酔」の関連性です。

その中で、まず麻酔銃でツキノワグマを眠らせるとありました。
麻酔を放ってから10分後に様子を見るというもの。

研究結果では20個体の結果が記されています。

皆さん麻酔銃がツキノワグマにヒットしたとき、どれ位の時間で危険性が無いほどに麻酔が効くと思いますか?

この研究では、麻酔がヒットしてから10分が第一段階とされています。

60%

10分間で危険性が無いほどに麻酔が効く割合です。

もちろんこの研究結果での数値です。

どう思いますか?

10分あれば眠るクマ。
また10分あっても危険性が残るクマ。

手負い熊を生み出すことに

もし麻酔が速攻で効くのであれば、10分後に様子を見るのではなく、もっと早い時間、5分とかで様子を見るでしょう。
しかし、そうではありません。
安全面からの10分だとしても、少し時間を要することが分かります。
ならばクマからすると、麻酔が効くまでの間はどういう時間になるのか?
「なんか破裂音がしたぞ」
「あれ!?なんか当たった」
「痛いぞ!もー!!」
という状況かもしれません。

つまり、クマは人間に攻撃されたと認識するかもしれません。

こんな話があります。

形勢逆転。ヒグマに追われる恐怖。

ハンターの方とも話す機会が多いのですが、あるハンターさんの実体験を少し。
問題ヒグマを複数のハンターで追っていたそうなのです。
それこそ民家の犬を襲ったり、畑の野菜を食べたりと。
農村部は収穫のタイミングでのヒグマとのバッティングを防ぐため、ハンターが森に入ったそうです。
山に入りヒグマを探すものの足跡や痕跡はあれど、姿は見られず。
そんな日が4.5日続いたそうです。
その日会えなかったら仕切り直しということを考え山に入った6日目。
いつもと同じように、沢を探ったそうです。
山はその日の朝に降った雨のせいでぬかるみが凄かった。
沢を下から上に向かって歩いていると、沢から背丈1mほどの藪の間の3mくらいのスペースに足跡を見つけたそうです。
しばらく続く足跡。しかも真新しいもの。
注意しながら、足跡を追った。

突然足跡が消えたそうです。
ハンターは分かったそうです。
「ヒグマは着いてくる人間に気が付いた」ということを。
この瞬間は、「ヒグマとハンターの形勢が逆転」したことを意味するそうだ。

どういうことか?
これまで人間がヒグマを追っていたが、ヒグマが人間に気付き巻いたタイミングで、ヒグマが人間を追う側になるということ。

追い払うように後をつけるときは、こういったケースにはならず、ヒグマがどんどん逃げていくことが多いらしい。
しかし今回は、問題ヒグマを仕留めようとしていたからこそ静かに迫っていた。
それが勘に触ることもあるそうだ。

1m近い藪が辺りを覆う。
ヒグマの姿は勿論、足跡すら見失った。
ハンターたちの恐怖心は、一気に強まった。

振り返るとヒグマ。こちらを見ている。

気配を失うとヒグマに敵わない。
近くに居るかもしれないし、離れたかもしれない。
悩んでいる余裕はない。
身の安全を確保するため音を鳴らしたそうだ。
特に気配はない。

遠くに行ったのか。
それとも戦闘態勢なのか。

膠着状態はものの1分たらずだったそうだが、10分にも20分にも感じたくらい、生きた心地がしなかったと。

意を決して沢の上を目指すと歩いてきた道の後方から何かが聞こえてきた。

ヒグマだ。そして聞こえていた音はヒグマの唸り声。
状況は非常に危険。

ハンターはライフルを構える。
ヒグマは逃げ出そうとしない。
身を低くし様子を伺っている。

ハンターとヒグマの距離は約100m。
位置関係はハンターがヒグマを見下ろす。
状況としては、ハンターが優位だ。

人間に対しても敵対心を見せている。
また農村に出てきたら危険。
ハンター同士「撃つしかない」。
共通認識だった。

ヒグマも少しずつ迫ってくる。

撃った。
ヒグマにヒットした。
当たった場所も悪くなかった。

しかしヒグマは走って向かってきた。
斜面を駆け登ってくる。
動きが止まったのはハンターがヒグマを撃った位置から10m以内の場所まで来ていた。

10-15秒くらいの出来事だったらしい。

麻酔に速攻性はない。ライフルでも即死はそうない。

ライフルでヒグマを撃っても、当たりどころなどによっては、走ってくる。
決死の覚悟で迫ってくるそうだ。

撃ってから90m程走って来ている。
ハンターは死に物狂いになったヒグマの怖さを知っている。
だからこそ、迫って来られたとき、2発目を打ち込む態勢は取れていたが、足は震えていたそうだ。

もう1発というところで、崩れ落ちたから2発目はなかった。

ここで再確認してほしい。
ライフルで撃ってから絶命するまで15秒はかかった。
斜面90mを駆け登った。

麻酔だと10分経っても動くものもいた。
どうなるだろうか?
もし襲いかかって来たら?

麻酔銃を放った位置まで簡単に来るだろう。
もし、そんな位置までヒグマが来たら?

速攻性の無い麻酔を更に放つ?
5-10m内に来てクマスプレーを噴射する?

襲われるかもしれませんね。

撃った方に来なくとも、他の方に逃げ出し暴れるということも考えられます。

向かった先が住宅地なら?
子どもたちがいる校庭や公園なら?

生命の保証はありませんね。

それでも麻酔で山に返すのが良いのでしょうか?
「山の中、深いところでの対処ならまだしも、一度のみならず何度も住宅地に現れているような個体に対して麻酔で対処する」というのは、非常に怖い気もします。

「人間がヒグマの住む場所を奪った」という声もありますが、だからといって、ヒグマも人間の生活圏で好き勝手に歩き回って良いものではありません。

お互い不可侵領域というものやしてはいけない行動があります。
それを犯してしまったのなら。
易々と見逃すわけにもいかないでしょう。

そして、事案が発生したことで、関心を持ち問い合わせしてくれる皆さんには、北海道民としてもありがたいです。

ただ、事案が発生する前から、環境問題や開発行為にも注視してもらえると嬉しいです。

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投稿日: 2019年8月31日makoto_kobayashi

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